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FM音源について

FM音源は元々現在のGM規格などが制定される以前に登場した音源システムであるため、一般的な楽器表現を行う創作スタイルとは、別次元に位置しています。
つまり、元々生楽器を表現するための音源ではないという事です。
FM音源で音楽表現をする際は、この点をよく理解する必要があります。

個々の音色の表現力は極めて貧相なものであるため、これを補う試行段階でしばしば苦痛を味わう事になります。そうした点で、あまり使い勝手の良い音源ではありません。

しかし既存の楽器では表現不可能な、奇抜な表現が可能であること、また打ち込み上の創意工夫で、生の楽器とはまた違った魅力のある演奏表現が可能であるという点で、深い潜在性を秘めた音源と言えます。

FM音源で音楽表現を行う際に最も大切なのは、固定の観念を払拭する適応性と、表現に対する柔軟なこだわりです。



FM音源の仕組み

FM音源を構成する要素は、複数の「箱」です。この箱を、明示的に”オペレータ”と呼びます。
オペレータは、自身が持つサイン波と呼ばれる波形を出力したり、他のオペレータに干渉して出力波形を崩したりする役割を有しています。
サイン波の出力役、または崩す役のどちらに回るかは、ユーザーの指定するアルゴリズムで変化します。

サイン波は、元々、一定の波として、回路に記憶されています。

この波は、オペレータひとつでは大きく形を崩すことができませんが、外部(他のオペレータ)からの干渉により、様々な形に変化を与えることができます。

干渉には、主に、周波数変調(Frequency Modulation=FM)と呼ばれる方法が用いられます。
周波数は、記憶された波形(波)の出力周期を調整するもので、ユーザーが任意の値を指定します。
外部に干渉する際は、ここで指定した周期で、他のオペレータの波形に干渉する(揺さ振る)ことになります。

揺さ振られた波形は、自身の波と、外部の出力する波とを融合し、新たな波形に変換します。
こうして、音色の基礎形態が生まれます。

ただし、この段階では、波形は一定の周期で干渉を与え続けるだけなので、音色に時間的な変化が存在しません。
そこで、干渉する際の出力の度合(レベル)を時間変化と共に指定を与え、完成された波形として出力します。

FM音源のオペレータが持つ構成要素は、「波形」「周波数」「レベル」「時間」の4つに大別できます。



FM音源の歴史

FM音源は、1980年代初頭、ヤマハによる、「周波数変調による多彩な音色加工」を可能とするシンセシス・システムとして世に送り出され、広く多くの一般音楽シーンに導入されました。

また、少ないメモリで音色加工が可能なメリットを生かし、当時、容量的な制約の多かった、アーケードゲームミュージックや、パソコンの分野にも、いち早く取り入れられました。

殊に、ゲームミュージックの分野では、FM音源の導入が、その後の楽曲表現の枠を広げる、大きな引き金となり、若い前衛的なクリエイター諸氏によって、FM音色を使いこなすための検証と葛藤が、日常的に行われていました。
 現在、ゲーム音楽シーンの第一線で活躍する、多くのクリエイタが、このFM音源での作成経緯を辿っていると言っても、過言ではありません。

80年代中期、当時一般的に普及されていた、OPN(YM-2203)や、OPM(YM-2151)に続き、従来、1つしかなかった波形のバリエーションを拡大した、TX-81Z,V2といった、新たなモデルが登場します。
 これらのモデルは、現在の携帯用FM音源、「MA2」,「MA3」の前身にあたるもので、音色作成の可能性が飛躍的に向上したものとなっているのですが、その後のPCM技術の発達により、難解なFMシンセシスは倦厭されるようになり、徐々にその姿を潜めていきました。

しかし、FM独自の表現は捨てがたいものであり、緻密な音場加工で有用な音色に生まれ変わることから、現在も、プロ用モデルのDX7(6オペレータ機種)や、その関連モデルは、多くのミュージシャンが愛用しており、また、携帯用音源としてもFMが採用され始めたことから、その存在価値が新たに見直されることになりました。

そうした背景から、FM音色への理解を深める参考文献の需要が、徐々に高まりつつあります。

ちなみに、4オペレータ音源の汎用モデルである、OPN,OPMと、現在の携帯用音源(OPL後継タイプ)とは、互換性がなく、一部のパラメータや、アルゴリズムの組み合わせなどが、大きく異なっています。



携帯音源の仕様

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演奏の実際-基本

携帯電話で音楽を演奏させるにあたり、まず始めに、演奏データを作成する必要があります。
このデータ作成の便宜を図り、様々な着メロエディタも頒布されています。
着メロエディタには、主に、MMLという音楽演奏用の言語を用い、直接演奏内容を記述してゆく方法と、既存のMIDIデータから演奏情報を取り込ませる、2つの手法が採用されています。

着メロエディタを用いず、一般のMIDIシーケンサを使ってデータ作成をすることもできます。
自分のスタイルに合ったエディタを使って作成してください。

MML
メリットBASICプログラムのMML言語と共通点が多く、ノウハウをそのまま活かせる。
慣れるとMIDI変換よりも早く、データを組める。
データ作成段階で、ある程度、データの整合化が行える。
見易い配列にできる。
デメリットボリューム変化などの情報を、手入力で入れるのが面倒。
手弾きのニュアンスが出し辛い。
言語を覚えるのが(少々)手間。
MIDI変換
メリットピッチベンドやボリューム情報などは、MIDIエディタの方が入力しやすい場合が多く、殆どの場合、変換時にそのまま取り込める。
リアルタイム入力での手弾きのニュアンスを再現できる。
デメリット無駄なコントロール情報を取り込み易い。
ロケーションが分かり辛い。
MIDIを用意するのが手間。
(これらはエディタの仕様により異なります)

エディタで入力したデータを、携帯電話用の演奏フォーマットに変換する方法は、エディタ毎に様々ですが、通常、我々が、これを気にする必要はありません。

どちらの手法を用いる場合も、基本的な演奏内容は、しっかり打ち込まれている必要があります。

また、PCでの演奏プレビューに用いるMIDI音源と、携帯電話に内蔵された音源は、そもそもの性能が異なるため、同じデータでも、演奏される内容には大きな相違が生まれます。
そのため、完成したデータを再調整したり、ある程度、携帯電話での鳴動を予測しながらデータ入力を行うといった行為も、必要になるかも知れません。



演奏の実際-表現

ピッチベンド
ピッチベンドレンジで指定した値の範囲(±24)で、上下64、計128段階のピッチ移行を行えます。
演奏する内容によっては、ピッチベンドよりも、スラーで表現したほうが、良い効果が得られる場合もあります。
FM音源でのタイの扱い (モノラル・レガート,スラー)
FM音源では、タイで繋がれた間の音符のEGは、ひとまとめに収束されます。
この間、異なる音階への移行があった場合も、EGは、振り出しには戻らず、前の音からそのまま引き継がれます。
持続時間の短い減衰系の音色では、途中で発音が消えてしまいますが、上手く利用すれば、独創的な表現ができるでしょう。

キーオン情報1つで音階移動
[KeyON] C*24& C#*24& D*24& D#*24 …[KeyOFF]

※(この効果は、該当トラックでモノモード・オンが発動している場合のみ、有効です)

ビブラートについて
一般のシンセサイザーでは、キーオンしてからビブラートが自動で掛かり始めるまでの時間を指定する「ビブラートディレイ」などのパラメータがありますが、現行の携帯FM音源では、このパラメータはないため、手動で表現します。

方法は、ノートの出だしをビブラートOFFで発音し、発音中にビブラートをONに切り替えます。

[KeyON][Vibrato OFF] A*72& →[Vibrato ON] A*120 [KeyOFF]

後述の、デチューン効果やディレイ効果と併用すると、とても綺麗な響きが得られます。

デチューン - (周波数ずらし)
元のパートより、微かにピッチをずらした音を重ねる(ユニゾンさせる)ことで、広がりのある響きを演出します。
エフェクタの、コーラスや、フェイザーに近い効果になります。
擬似的なものも含め、いくつかの手法があります。

手法1 - ピッチベンドを使ったデチューン
元になる演奏個所を抜粋し、他パートにコピーします。
コピーしたパートで、ピッチベンドを発動し、ピッチを微妙に下げた(上げた)状態で、演奏させます。
不協和音にならない範囲で、上手く調整します。

手法2 - ビブラートで擬似デチューン
ビブラートによるピッチの振幅で、擬似的にデチューン効果を出します。
元になる演奏個所を抜粋し、他パートにコピーします。
コピーしたパートで、適当なビブラート振幅を与え、演奏させます。
上記の「ピッチベンドを使ったデチューン」と併用しても、綺麗な効果が出ます。

参照 デチューン サンプル

※(ここで説明したデチューンは、FM音源パラメータのデチューンとは異なります)

ソフト・エンベロープ
徐々に音量が上がったり下がったりする効果を、ノートの発音中にボリュームチェンジ,エクスプレッションなどを挿入することで表現します。

[KeyON]
A*24& →[Vol Change] A*24& →[Vol Change] A*24& →[Vol Change] A*120 [KeyOFF]

音量変化の具合は、音色側のパラメータ(EG)でも設定できますが、パラメータの設定だけでは表現できない複雑な音量の変化を持たせる場合、この手法を使います。



演奏の実際-空間

現行の携帯用FM音源では、空間演出のためのエフェクト回路が塔載されていないため、リバーブやディレイといった効果は、擬似的に自分で入れなければなりません。

これらの効果を入れることで、演奏にどの程度の差が出るかは、実際に自分で試して下さい。

以下に、その具体的な方法を記していきます。

マニュアルディレイ
ディレイ効果をつけます。
既に演奏したフレーズにならって、別のパートで演奏を重複します。
この効果は、元となる(ディレイ効果を出したい)演奏個所を抜粋し、別パートにそのままコピーします。
ディレイは遅れて聴こえる効果ですので、演奏も若干遅らせます。また、元パートより音量は低くなるのが一般的です。
こうした効果をニ重,三重にも掛けて、より広がりを与えることもできますが、メモリが肥大化するのと、一部を除き、モノラル出力の携帯端末では、あまり意味がありません。

なお、ディレイパートのピッチをずらせる場合は、ずらしておきます(デチューン効果)。

フィードバックディレイ
上記ディレイの応用で、1〜2つのチャンネルを使って、複数回、重複するディレイを作ります。
参照

擬似リバーブ
残響効果をつけます。
ディレイに比べ若干手間は掛かりますが、ディレイとは違った響きが得られます。
この効果が有効なのは、主に楽曲中に、空白が入る個所です。
空白個所を、リバーブ成分となる音符で埋めることで、曲に広がりを出します。

方法1 - 1音リバーブ
直前のノートが切れた後に、若干ボリュームを落とした、同じ音符を入れます。
少し間を置いて(休符を挟んで)入れれば、ディレイ掛かったリバーブ効果になります。
参照
方法2 - リバーブパートを別chに分ける
リバーブ効果を頻繁に使う場合は、他chにリバーブパートを分散させます。
まず、元となるパートを抜粋し、他chに複写します。
複写したパートの、音符個所を休符に変え、直後の休符個所を音符に変えます。
この方法では、リバーブパートの音色と音量を、自由に指定することができます。(参照
なお、いずれも、リバーブの効果を擬似的に表現するものですので、エフェクターが出力するような、広がりのある響きは表現できません。

ダンパー
エフェクトとは趣旨が異なりますが、空間演出の一環として説明します。

通常、ピアノやハープ,ビブラフォンなどの楽器は、発音して次の音へ移行しても、前の音の余韻を残しています。
特に、ピアノのダンパーペダルを踏んでの打鍵や、ハープの弦の余韻は長く残り、次の音を発音して、前の音が消えるということは、まずありません。

こうした事象は、通常、ポリノートで発音可能なMIDI音源では、あまり気にすることのないものですが、携帯音源(またはフォーマットやエディタの仕様)で、1chの発音が1音に固定されている環境では、演奏データに大きく細工を施す必要があります。

元の譜面

実際の鳴動(ピアノ)

実際の鳴動(ハープ)

上図の例では、ピアノの実鳴動を再現するために、2チャンネル必要なことになります。

自然楽器が、その鳴動を人間が、「楽器の音」として判断できる要素は、音色そのものの特性も含め、演奏される旋律、そして、空間を感じる「響き」です。
 こうした要素を軽視すれば、楽器的な表現は失われ、聴く者には、聴感上、不自然な響きとなって顕れます。

音楽的な表現を行う上では、どのような制約を受けていても、それを克服する工夫を施すのは、クリエイタの義務であると考えています。

具体的な方法を説明します。

まず、元となる演奏個所を抜粋し、他パートに複写します。
この時、元の演奏個所を、コメントアウトとして残しておきます。
元のパートと、複写したパートの演奏内容を、交互に削っていきます。
参照
 なお、昆布では、これらの処理を自動で行う、「MR」コマンドがありますので、それを利用しても良いと思います。

次に、ハープの表現を行います。
こちらは、4ch使いますが、要領は2chの場合と同じです。(参照

最後に、下図のようなハープ演奏を、8chで行った例を紹介します。
参照

どの程度の効果があるかは、自分で確かめてください。


なお、多くのPCM機種や、MA3の仕様では、空きのあるチャンネルへ自動的に発音を振り分ける設計になっているため、エディタの発展次第では、こういった手間は省けるようになると思います。

おまけ



音色定義−LFO

DAM(AM深度) DVB(ビブラート深度)に対する、音の振幅周期(揺れる速度)を決定します。
(0〜3)



音色定義−PANPOT

音の定位を固定にする場合に、PEにチェックを入れて値を指定します。
(0〜31。 Center=15) 

このPANPOTを有効にした場合、コントロールチェンジ#10のパンポットコントロールは無効となります。



音色定義−ALG(アルゴリズム)

FM音色の作成にあたり、まず初めにアルゴリズムを指定します。

アルゴリズムにより、各オペレータが担う、波形の出力役,または干渉役が決定します。
波形の出力役を、「キャリア」と呼び、干渉役を、「モジュレータ」と呼びます。

キャリアは主に「音量」を司るパーツ、モジュレータは主に「音質」を司るパーツ、と考えることができます。

最下段に来る(アンプに直結される)オペレータは、常に波形の出力役=”キャリア”となります。
その上に積まれるオペレータが、波形に干渉を与える、”モジュレータ”となります。
この関係は、アルゴリズムにより、流動的に変化します。


【MA-2 のアルゴリズム図】



【MA-3 のアルゴリズム図】

(※ATSツール上での表記は図の-1の値となっております)




具体的なアルゴリズムの選択方法を説明します。

まず、トータルレベルで設定する波形の出力値は、EGで時間的な変化を与えられるものですが、EGの各パラメータがこなす変化の軌跡は、単純な直線変化であり、オペレータ単体では、あまり複雑な音色変化を与えることができません。

より複雑な変化を与えるためには、複数のオペレータを用い、それぞれの波形出力周波数と、EGが描くレベル変化の軌跡に、ばらつきを持たせます。

オペレータ 2
周波数 0
オペレータ 3
周波数 4
オペレータ 4
周波数 1

こうすることで、出力される波形は、非常に複雑なものになり、聴感上のうねりや、豊かな倍音変化となって顕れます。
このような表現を行ないたい場合は、直列型の(オペレータを縦に多く積んだ)アルゴリズムを選択します。
ベースやギターなどの硬質な音色を作る場合も、直列型のアルゴリズムが適しています。


 MA-2のアルゴリズム4、又はMA-3のアルゴリズム6は、アルゴリズム1の発展形といえます。
独立した、2つの2オペレータ音色が、1つの音色として統合された並列型アルゴリズムです。
出力される音色は、変換された1つの波形ではなく、2つのキャリアが出力した波形の混合音となります。
この選択では、従来の2オペレータ音色の編集を行うニュアンスで、音色作成が行えます。

主な用途は、まず、キャリアが2つあることを利用し、それぞれ独立した音量変化と、発音階を設定できます。
これにより、オクターブ重ねのユニゾンシンセや、ベル+金属音などの合成音を作成できます。

また、自然楽器が発する特徴的な倍音要素、例えば、ピアノのハンマー音や、ハープの弦を弾く音,ギターのピック音、吹奏楽器の吹き上がりのブレ、といったアタック成分を、装飾的に加味した音作りが行えます。

 同様にキャリアの数が多いアルゴリズム8はベルパッドなどの音色に、アルゴリズム3はオルガンなどの音色作りに適しています。
デチューンを上手く併用することで、より広がりのある音作りができるでしょう。


このように、表現する音色の特性によって、選択されるアルゴリズムは、ある程度、事前決定されることになります。



音色定義−MULTI(マルチプル)

マルチプルは、各オペレータが持つ波形の、出力周波数を調整します。
基本的には、周波数が高いほど、出力される波形のピッチは高くなります。
基準値を1とした場合、マルチプルの値により、周波数は以下のように変化します。

0 …
1 …
2 …
4 …
8 …
15 …
1オクターブ下
基準
1オクターブ上
2オクターブ上
3オクターブ上
4オクターブ上−1半音階
(概算値)

中間の数値、例えば”3”であれば、1.5オクターブ(1oct+5度)上となります。
4オペレータの並列アルゴリズムでこれを応用すれば、5度重ねの和音を、1つのシーケンスに収束することなどができます。



音色定義−DT(デチューン)

波形の出力周波数(マルチプル)を、ずらします。
周波数をずらすことで、音色に微妙なうねりや、広がり感を与えることができます。
(0〜3= 0 +1 +2 +3  4〜7= 0 -1 -2 -3)

なお、マルチプルの値を高くすると、相乗的にデチューンの効果も(若干)大きくなります。
特に並列アルゴリズムで広がり感の強い音色が欲しい場合などに、有効な手段となります。



音色定義−AR DR SR RR SL(レート&レベル(EG))

トータルレベルで指定した値を基準に、出力される波形のレベルに、相対的な時間変化を与えます。

これらのパラメータの変化は、キャリアでは”音量の変化”、モジュレータでは”音質の変化”となって顕れます。

基本的な音のカラーを決定する波形マルチプルに加え
このEGの設定が、最終的な音色のクオリティを左右する、重要なセクションとなります。

AR
(アタックレイト)
トータルレベルへ到達する時間。音の立ち上がり。
(0〜15)
DR
(ディケイレイト)
トータルレベルからSLへ到達する時間。音の減衰。
(0〜15)
SR (サスティンレイト)SLへ到達してから減衰させる(0になる)までの時間。
(0〜15)
RR
(リリースレイト)
キーオフ後、レベル0になるまでの時間。
(0〜15)
SL
(サスティンレベル)
音を維持するレベル。
(0〜15)

15が最速,1が最遅, 0で変化無しとなります。



音色定義−トータルレベル

トータルレベルは、波形の出力レベル(キャリアの音量 or キャリアに干渉を与える度合)を調整します。

ここで指定した値が、そのオペレータで出力できる、最大レベルになります。

0が最大,63が最小となります。



音色定義−KSL(キースケールレベル)

高いキーほどレベルを下げる場合、ONにします。



音色定義−DAM(AM深度)

AMの掛かり具合を設定します。
値による変化の度合は下記の通りです。

DAM=0 : 1.3dB
DAM=1 : 2.8dB
DAM=2 : 5.8dB
DAM=3 : 11.8dB

EAM(イネイブルAM)を有効にする必要があります。

AMは、波形の出力レベル(トータルレベルを軸とした、時間変化を伴うレベル)に、周期的な振幅を与えます。
値が大きいほど、レベルの揺れが大きくなります。
キャリアに掛けた際はトレモロ、モジュレータに掛けた際はワウの効果を、聴感上の印象として与えることができます。



音色定義−DVB(ビブラート深度)

ビブラートの掛かり具合を設定します。
値による変化の度合は下記の通りです。

DVB=0 : 3.4セント
DVB=1 : 6.7セント
DVB=2 : 13.5セント
DVB=3 : 26.8セント

(1セント=1/100音階)

EVB(イネイブルVB)を有効にする必要があります。

それぞれのオペレータに対し、違った値を指定すると、ユニークな響きを出すことができます。

なお、DVBの設定は、ATSオーサリングツールでの音色プレビューには反映されません。 (演奏データ内でのみ反映します)



音色定義−FB(フィードバック)

アルゴリズム毎に、1〜2つ実装されています。

右図の例では、オペレータ1に、フィードバックが掛かります。

自身が出力した波形を、繰り返し入力し直す、度合を指定します。
(0〜7)

キャリア単体でも掛けることができ、フィードバックを重ねる過程で、自身の出力音量がピークレベルを超えた場合は、ノイズ味のある音色となって再生されます。



音色定義−WS(オペレータ波形)

オペレータが出力する、波形を決定します。

波形は、基本的にはサイン波のバリエーションのみで、いずれの波形も32波形要素(サンプル)で構成されています。
ただし、周波数変調を行い、出力される音の性質は、波形により、大きく変化します。

MA2では8種類、MA3では29種類の基本波形(+3つのユーザー波形)を選択できます。



音色定義−XOF

キーオフ後、RR(リリースレイト)によるレベル変化を起こさない(音を維持させる)場合、ONにします。

主に打楽器など、キーオフして音が途切れてしまうと都合が悪い音色などに対して使います。



音色定義−SUS

MIDIコントロールのダンパー情報を受け取った際、音を維持させる場合ONにします。



音色定義−KSR(キースケールレイト)

高いキーほどEGの変化を速くする場合、ONにします。



音色定義−EAM(イネイブルAM)

AM(Amplifier Modulation)(トレモロ,ワウ)を使う場合、ONにします。
DAM(AM深度)



音色定義−EVB(イネイブルVB)

ビブラートを使う場合、ONにします。  ⇒DVB(ビブラート深度)



音色定義−ユーザー波形



音色表現のスタンス

従来、2オペレータ音色の作成では、バリエーションを出す手段として、複数の波形の選択が余儀なくされていましたが、 4オペレータでの作成にあたっては、波形に依存する手法を避け、基本的な変調の法則性や、EGによる時間変化の過程を楽しみつつ、FM音色への理解を深めることが、結果として、良い表現を生む礎になるのではないかと思います。

これにより、自分流の音色表現のスタイルが確立され、FM音色への愛着も、より深いものになるでしょう。



最後に

これらの執筆にあたっては、その解釈に於いて、自身の経験や判断に基く要素が多いため、必ずしも適切でない表現も含まれると思います。

そうした面でお気付きの点があれば、適切な御指摘のほど、宜しくお願いします。




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